Dreamzone

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スフィアリーグ5thステージ総評

 まずはTEAMdreamの選手並びにサポーターの皆さんには悪いですが、TEAMdreamが初戦敗退したことで、優勝決定が最終節に持ち越されてスフィアリーグの盛り上がりのためには良かったかも。これで最終節は、TEAMdream、ガッタスカレッツァの3強は優勝=年間王者がほぼ決定という最高に盛り上がるシチュエーションになったし。
 さて、今大会は過去の4節以上に見終わっていろいろ思うところがあります。まずFANTASISTAの優勝で、スフィアリーグが「ガッタスカレッツァ2強時代」から「TEAMdream1強時代」へ以降しつつある流れが、「FANTASISTAを中心とした群雄割拠時代」へと変わったと思います。7月のグッドウィルカップでは蹴竹Gが優勝、チャクチャクが準優勝、8月のお台場冒険王と今大会はFANTASISTAが連覇し、今大会の準優勝はYOTSUYA。スフィアリーグ発足以降トップリーグリザーブリーグを行き来していたチームが上位進出。完全に各チームの力の差がほとんど無くなったと思います。
 その優勝したFANTASISTAですが、このチームには宇津木めぐみちゃんや小島くるみさんのように突出した能力を持つプレーヤーはおらず、まさに全員の力で掴んだ優勝。準優勝したYOTSUYAも斉藤リコさんはかなり上手いものの、それでも突出したプレーヤーというイメージは無く、やはり全員の力で掴んだ準優勝。逆に山口百恵ちゃん、溝口麻衣ちゃんといった特定の個人に頼る部分の多かったチームは揃ってリザーブ落ち。以前から何度も「突出した傭兵がいるチームに対抗するには、チーム全員のレベルを上げるか、なんらかの戦術を生み出すしかない」と書いてきましたが、今回のFANTASISTA、YOTSUYAの躍進というのはそんな私の考えがある程度実現した感があります。こうして、スフィアリーグのプレーヤー全体のレベルがアップしたのなら、スフィアリーグにおける傭兵の存在も決して無駄では無かったと思います。それにしても、FANTASISTAは4月に名古屋で生で見た時はゴレイロのロングキック頼りの戦術の無いチーム(^~;)というイメージがあったのですが、僅か半年足らずで見違えるほどのチームに成長しましたね。FANTASISTAをここまで育てた大竹奈美さんには、ぜひ次期なでしこジャパン監督になってほしいと思ったくらい。
 そして、この大会のハイライトはやはり1回戦のTEAMdreamvsカレッツァ。あえて初戦の相手に連覇中のTEAMdreamを選んだカレッツァですが、その対TEAMdreamの戦術というのは昨日も書いたように「攻撃は最大の防御」という極めてシンプルなもの。最近は後方からゲームを組み立てるプレイが多かった小島くるみさんが、この試合はほとんど前線に張り付いて攻撃に専念。そのため、宇津木めぐみちゃんが守備に追われて、ほとんど攻撃ができない。彼女の必殺のロングシュートもロスタイムの1発以外はほとんど見られなかったし。個人的には、なんか見ていて数年前の「安田忠夫vsバンナ」での安田のひたすら愚直に前進してバンナを圧倒した戦法を思い出しました。結果こそPK戦での勝利でしたが、この試合では精神的な面でカレッツァがTEAMdreamを圧倒していた感があります。「圧倒的な才能を持つ選手を持つ選手を擁するチームを、精神力を1番の武器で倒す」という、スポーツマンガの王道的な試合だったかと。TEAMdreamにとっては精神的支柱であるキャプテンの橘佳奈ちゃんがケガで出場できなかったのも不運だったかも判りませんが。ただ、これまた昨日も書いたように、カレッツァは精神的にも体力的にもこの試合でピークを迎えてしまい、次の準決勝で敗退。そこまでしないと勝てないくらい、TEAMdream、そして宇津木めぐみちゃんは強大な存在だったとも言えますが。
 あと、今大会ではトップリーグでは9試合で入った得点は全部で9点。平均1試合ちょうど1点。ちょっと物足らない印象も受けましたが、今年のW杯の決勝トーナメントがそうであったように、ある程度レベルが上がると得点がなかなか入らなくなるのは止むおえないかも。