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「仮面ライダーW FOREVER/AtoZ運命のガイアメモリ」感想

 ツイッターのほうでも少し取り上げましたが、東映の公式youtubeで同作品が無料配信中なので、今更ですが感想を。

 まず昭和世代の私にとって、正直「平成ライダー」は「仮面ライダーを名乗った何か」という作品でした。タイトルに「仮面ライダー」とあっても本編に「仮面ライダー」という単語が出てこない作品が大半、出てきてもほぼ記号扱い。

 それを覆したのが所謂「平成二期」最初の作品である「W」。この作品内では「仮面ライダー」という名前は風都の人々が人知れず悪と戦うヒーローに誰ともなくつけた名前であり、主人公たちもその名前に誇りを持っている。いわば、「W」という作品は「舞台を風都という街に限定する」ことによって、「悪と戦う正義のヒーロー、仮面ライダー」を再構築した作品だと思います。そして、この設定が「AtoZ」のクライマックスでも生かされている。

 前置きが長くなりましたが、「AtoZ」の最大の魅力はやはり敵役であるNEVERの魅力。カリスマと実力あるリーダー、ギャグキャラ、パワーキャラ、クールキャラ、そしてセクシー紅一点の5人とまさに「悪の戦隊」といっていいキャラ付け。こういう戦隊のパロディっぽい悪役はちょくちょくありましたが、ここま全員キャラ付けがはっきりして魅力的なチームは無かったと思います。とくに格闘家でもある須藤元気氏が演じた泉京水は、「オカマで強キャラ」というインパクトは最近での「シン・ウルトラマン」のメフィラスに匹敵するものだったと思います。

 そしてクライマックス、TVのレギュラー、そしてゲスト出演者が登場して次々「仮面ライダー」の名を叫び、最後に所長が「仮面ライダー」とつぶやくと同時に主題歌のイントロがかかり、風都に風が吹き、その力で「W」が逆転するシーンは何度見ても泣ける。このシーンの感動は「風の力でパワーアップする」という初代ライダーのオマージュであり、また最初に書いたように主人公が「仮面ライダー」という名前に誇りをもっているからだからこそだと思います。

 唯一不満をあげれば、NEVERの行動が自分たちの計画にも悪影響を与えるのに、園崎パパが静観してた理由が謎だったこと。ここは後の劇場版「フォーゼ」の蒲生理事長のように、「テロリストごとき仮面ライダーに任せておけばいい」みたいなセリフがあればよかったんじゃないかと思ってます。