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美少女戦士セーラームーン

というわけで、昨日最終回を迎えた実写版「美少女戦士セーラームーン」に対して、主にアニメ版との比較を中心にいろいろ思うところを。
まず、今回の実写版とアニメ版の最大の違いはヴィーナスのポジション。元々ヴィーナスは漫画「コードネームはセーラーV」という作品の主役だったこともあり、アニメ版「セーラームーン」ではその主役であるセーラームーンとキャラがかぶり、イマイチ印象が薄いところがありました。そこで実写版では変身前の愛野美奈子に「アイドル歌手」「不治の病」という設定を与え、さらに他の4人の戦士とは行動を共にせず、独自に行動するキャラとしました。いわば、戦隊シリーズにおける「6番目の戦士」にポジションに近いと思います。特になかなか仲間にならず、最後に死ぬ(?)ところは「アバレンジャー」におけるアバレキラーに近いかも。ただ、個人的にはやはり最後はセーラー戦士5人揃っての戦いが見たかったですね。「セーラームーン」における「6番目の戦士」的ポジションは、本来ウラヌス達いわゆる「外惑星戦士」達の役割のはずだから。
もうひとつ、アニメ版との違いはダークキングダム四天王の描かれ方。四天王はもともと前世ではエンディミオン(=タキシード仮面)の親衛隊だったけど、現世では敵になってしまったというキャラでした。しかし、アニメ版はそのあたりにはほとんど触れられる事は無く、4人とも単に敵として倒されてしまいました。それに対して実写版では4人のキャラがきっちり描かれ、あくまでクインベリルに忠誠を誓うゾイサイド、クインベリルに捨てられて人間として生きるネフライト、あくまでエンディミオンのため生き、そして死んだゾイサイド、そしてエンディミオンを恨みながらもやはり最後はエンディミオンをかばって命を落としたクンツアイト。そんな4人のドラマが、実写版のストーリーをより深めたと思います。ちなみに、最初のミュージカル版では前世では四天王とマーキュリー・マーズ・マーキュリー・ヴィーナスの4人は恋人同士であり(この設定は原作にあるのかどうかは不明)、しかもその前世の恋人同士が戦いの中刺し違えるという壮絶な展開がありました。
そして、実写版ラスト。アニメ版やミュージカル版のパターンから、「どうせ最後は銀水晶が発動して奇跡が起こって、めでたしめでたし」だろうと思っていて、実際その通りになりましたが、そこまでの展開は予想外でしたね。ヴィーナスが死に、セーラームーンは自らエンディミオンの命を奪い、さらには地球も1度は滅亡してしまうという。結局、セーラームーンにとって最大の敵は、この実写版においてクインベリルではなくセーラームーン自身(=プリンセス・セレニティ)でした。
ともあれ、1年間楽しめた作品でした。やはり、また今度はウラヌスたちが登場する続編を作って欲しいです。とりあえず単発のSPでもいいですから。